部活に復帰できた喜びと、新たにつくりあげてしまったイメージ~僕が慢性腰痛だった頃~③

こんにちは。奥野ゆうです。
今回も引き続き、僕の慢性腰痛体験を書いていきたいと思います。
はじめて読んでいただける方、過去記事はこちらです。
緊張と不安を抱えてたずねた指圧治療院。待っていたのは茶髪の先生だった。
母親に紹介された指圧治療院に到着し、ドキドキしながら入り口のドアを開けます。(僕は緊張しいなのです。)
「こんにちは~!」
高めの明るい声で迎えてくれたのは、20代に見える茶髪の兄ちゃん(失礼)でした。
えっ!
イメージしていたのと全然違う!もっと静かな物腰の落ち着いたおじさんかおじいちゃんが先生かと思い込んでいた僕は驚きました。
小さい頃におねしょを治すために連れられて行ったお灸の先生はおじいちゃんだったし。
勝手にイメージして驚いてるのだからどうしようもないのですが、高校生だった僕の世間は狭かったのです。
あ、でも今も狭いですね。自分の世界からしか物事が見られないし考えられない。だからこそ他人の世界に触れられるのが楽しいんですよね~。他人の話を聞くのって面白いですよね。大好きです。
話がそれてしまいました。話がそれてしまうのが僕の悪い癖。
イメージと違う先生を目の前にした僕は、とてもとても不安になりながら自分の腰痛の説明をし、横になり施術を受けました。
約一時間くらいの施術が終わって帰宅し、注意深く自分の腰に意識を向けます。
あれ?楽になってる。常にまとわりついていた重苦しい感じがなくなっています。
これはいいや!やったぁ~!と喜んだのもつかの間。
あれ?こっちに動かすとまだ痛いな。こう動かしてもまだ違和感がある。
まだ治ってないんだな。と今になって思えば一生懸命に痛いところ探しをしている自分がいたように思います。
そのあと、数回施術を受けてから、もう部活に復帰してだいじょぶっしょ!という許可をもらって部活動に復帰することが出来ました。
整形外科には一回行っただけで、もう行くかこんちくしょう!となったのに、なぜ指圧治療院には継続して通う気持ちになったのか。
一回目の施術で効果を感じることが出来たということもあったと思いますが、何よりも僕の話を聞いてくれた。ということが大きかったのではないかと思います。
「誰も俺の痛み、つらさはわからないんだ」と自分の殻にこもっていた僕にとって、話を聞いてもらえた。聞いてくれる人がいる。とうことが安心感とその場の心地良さにつながっていたのだなと思います。
といっても優しくじっくり聞いてくれたわけではなく、「ふんふん、そうなんだ。だいじょぶだいじょぶ!」といった軽い感じでしたけど(笑)
無意識につくりあげた「腰が悪い自分」というイメージ
「腰が悪い」って書いてみてあらためて感じましたが、すごく独特な言い方ですよね。
伊藤かよこさんの「人生を変える幸せの腰痛学校」でも書いてありますが、頭痛の時に頭が悪いって言わないですよね。
肩が痛いときにも肩が悪いって言わないし、足首が痛いときも足首が悪いって言わない。いやぁ~、不思議ですね。悪者扱いされて腰かわいそうだな。
また話がそれてしまいました。話がそれてしまうのが僕の悪い癖。
少し不安を抱えながらも、ようやく部活に復帰できた僕。
それはそれは嬉しかったです。きついメニューも身体を動かせる喜びが勝ってなんてことありません。久しぶりに部活の友達と過ごす時間。テンションあげあげです。
復帰してから何気なく母親が言った「全く笑わなくなっていたからどうなることかと思ってた。」というセリフは忘れられません。心配かけてたんだなぁ。と。でも、うるさいことは言わずに見守ってくれていたんですね。ほんと感謝です。あ、親父とは言い争いしたりしましたね(笑)それも感謝です。
テンションあげあげだった僕ですが、すぐにあることに気づきます。
同級生との差がかなりついているという事実に。それは当たり前なんです。真面目に安静を忠実に守っていた僕と、その間に激しいトレーニングをしていた同級生。これで差がつかなかったら神様は不公平です。
具体的な例を挙げると、腰痛になるまでは同級生の中で持久走では上位を常に走っていました。しかし、復帰後は下から数えた方が早いくらい。もともと身体の線が細く、筋力で劣っていた僕は持久力で勝負していました。しかし、その武器が全く通用しなくなってしまった。悔しかったです。
その悔しさを練習にぶつけ、努力をして挽回すれば良かったのですが、プライドが富士山、いやチョモランマ級に高かった僕はそんな自分を認められず、またそんな自分を周囲にさとられるのが恥ずかしいという思いもあり、違う道を選んでいました。
腰のせいにしたのです。腰が痛いから全力が出せない。だから遅くても仕方ない。腰が痛いけど頑張ってます。みなさん分かってくれますよね。というように。
「腰が悪い人。」というイメージを自分にも周囲にも植え付けることで、自分を守っていた。そんな気がします。
※ここで誤解して欲しくないのは、慢性腰痛の方が痛みに逃げているということを言いたいわけでは決してないです。慢性腰痛の原因は複雑で様々な要素が絡んでいます。あくまで僕個人の場合であり、僕が自分自身を振り返った時にそう感じているということです。僕のケースも他の方からみたら違う解釈があるかもしれませんし、それでいいとも思います。何でもいいんです、良くなれば。
「自分は腰が悪い。」そういうイメージを無意識に作り上げた僕は、これまた無意識にそのイメージを具現化していきました。
④に続きます。